【西鉄バス】都心部における路線のアイデンティティについての考察

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こんにちは、バスファン歴1年の小林香織です。

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先日、ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」(筆者: ちょんびんさん)を紹介する記事を書きました。
おすすめブログ「ほぼ西鉄バスの旅」のご紹介

実は、この記事には続きがあったのですが、あまりにも長くなったので別の記事として独立させることにしました。

ここから、「ほぼ西鉄バスの旅」で語られていたテーマに乗っかった話をします。
元ネタはこちら。
ほぼ西鉄バスの旅:独自区間のアイデンティティ

2016年12月の記事です。
私はこの記事を読んで、知識がないなりにいろいろと考えたものでした。

今回は、この記事のテーマを私の環境(博多部)に置き換えて、都心部に住む者の視点から考察してみます。

※この記事における博多部は、御笠川~那の津通り~那珂川~国体道路に囲まれた地区と定義します。
※ある程度福岡都心部のバスに理解があることを前提として書いております。
ご注意ください。
※記事内のスクリーンショットは西鉄バス 路線図にしてつ時刻表から拝借しています。
※バスに目覚めて1年もたってないにわかの戯言です。

目次

・私が最も愛する路線?
・愛着のある路線とは
・博多部には「地元のバス路線」がない
・博多部の独自区間
・「どこで乗るか」と「どこで降りるか」
・最寄り地下鉄駅が最寄りとして正解とは限らない
・その番号でイメージする区間
・「独自区間」と「アイデンティティ」と「ハイライト」
・昔、以前、最近という区分
・おわりに

私が最も愛する路線?

西鉄バスを趣味にしている方には、鉄道駅から離れたエリアにお住まいの方が多いイメージがあります。
「原はバスオタの聖地」と噂に聞いたこともあります。(※あくまで噂です)
小さいころから地元のバス路線に触れて、いつしかバスを追いかけるようになったのでしょうか。

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私の最寄りバス停は神屋町です。
行先に応じて、神屋町/蔵本/呉服町/対馬小路/土居町などのバス停を使い分けています。
都心部です。ほぼ100円エリアです。
まだ現在の家に引っ越して1年も経っていませんが、そのわりに近所の路線を使いこなしていると自負しています。
まるで原住民のような気持ちで大きな顔をして暮らしています。
(↑はらじゅうみんじゃないよ、げんじゅうみんだよ)

では、私にとって愛着のある路線は何番なのか?

と考えると、これがなかなか難しい。
西鉄バス歴が浅いからというのもありますが、それ以上に大きな理由が、
近所を走るバスがあまりに多くて、しかもそのバスにとって私の近所は郊外に向かうための単なる通過点でしかないから
でしょう。

愛着のある路線とは

路線に愛着がわくための要素を少し考えてみました。

・最もよく使うバス停で最も本数が多い路線
・通勤通学で使う路線など、利用頻度が高い路線
・地元の路線の中でも、特徴的で記憶に残りやすい路線

パッと思いついたのはこれ。
本当のところは人それぞれだと思います。

私の近所では、88番と99番がサンパレス方面に団子になって走っています。
残念なことに路線固有の番号ではなく統一番号ですが、私にとっての地元の路線はこの2つです。

88番はLEDのハングル文字が受け入れられません。
でも、職場(渡辺通)から家に帰るときは、サンセルコ前で88番を待ちます。
ないと困る路線です。

99番は好きです。
側面LEDの「博多ふ頭←国際センター←サンパレス←呉服町・蔵本」が素敵です。
88番と99番が並んでたら99番に乗ります。

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自作したスマホの壁紙も99番です。
でも、愛着を持つには足りないです。

朝の通勤では対馬小路から55番に乗っています
55番は好きな路線の1つで、高低差のある狭い道を駆け抜けるさまが(運転手さんには申し訳ないですが)アトラクションのようで爽快です。
でもそれは、「那の川~長住三丁目」の区間の話。
私は渡辺通り上で降りるので、桧7839の乗り心地の悪さだけが残ります。
よって愛着はわきません。

天神中央郵便局前で4番が来たら喜びのあまりおたけびを上げそうです。
「天神~神屋町」の恩恵を受けるために乗ります。
でもそれは、「土井営業所~千早駅~天神~福岡タワー」という4番の長い道のりのたった一部の区間。
愛着を持つにはあまりに偏っています。

SRPビルでの研修で3か月間乗った312番も大好きです。
でも、呉服町から乗って、都市高速をはさんだ次の停車バス停で降りていたので、これを地元の路線と呼ぶには抵抗があります。
(愛着を持つには必ず地元の路線でないといけない、という決まりはないですが。)

じゃあ、博多に来る前に4年間住んでた七隈の路線はどうなん?
と考えましたが、愛着は皆無です。
当時は地下鉄に依存してましたから。
いま12番や16番を見ても「福大前行きがおるなー」程度の感想しかありません。

路線に確固たる愛着を持つにはまだ時間がかかりそうです

博多部には「地元のバス路線」がない

さて、このように私の路線への愛着がふらふらしていることからもわかるように、博多部には「地元のバス路線」がないのです。

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大博通りは、88番と99番こそいるものの、博多駅に近づくにしたがって系統がどんどん増えていきます。
対馬小路のあたりも同様。
明治通りは、主に西部西南部のお客を運びます。
昭和通りは、もはや呉服町ランプのために存在しているようなもの。
国体道路は、8番とそれに準ずる番号の過剰供給で渋滞しています。

そうです。
博多部にあるほとんどのバス停は、天神・博多駅と郊外を結ぶ過程における単なる通過点でしかないのです。
西鉄バスの路線は、博多部に乗客を運ぶために存在しているわけではないのです。
都心部の宿命です。器用貧乏ってやつです。

88番と99番も、本来はWF地区と博多駅を結ぶための路線であって、博多部のための路線ではありません。
もっと言えば、手軽なバスの折り返し場が欲しかったから博多駅で止めずWF地区に延伸しただけかもしれません。
博多部はおまけです。
306番や312番が乗客を少しでも拾うために駅東ランプではなく呉服町ランプを使っているのと似たようなものだと考えています。

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例外は100円循環バスで、天神・博多駅から博多座やお櫛田さんにお客さんを連れていく役割を担っています。
あくまでも「循環」なので。
とはいえ、100円循環の主役は天神と博多駅なので、博多部の影は薄いです。

そう考えると、中洲バス停のあたりに住んでいる人は、地元の路線が本当に「ない」ですね。
もし私がそのあたりに住んでいたら何番に愛着がわいていたか、気になるところです。

博多部の独自区間

「独自区間」とは、ちょんびんさん曰く

枝番も別物、つまり「2」「2-3」「2-9」はそれぞれ独立と見做して、
ひとつの番号しか通らない区間を指すことにします。

だそうです。

この定義に従うと、たとえば3番の独自区間は

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脇山支線

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西南杜の湖畔公園西のあたり、というシュールな結果になります。
みんなの知ってる3番はどこへやら。
路線図で独自区間を探してみると面白い発見があるはずですよ。

では、ここで博多部を走る路線の独自区間について考えてみます。
例として88番でいきます。

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昨年8月、連節バスが運行をスタートしました。
88番の「博多駅F~中央ふ頭」と全く同じ道を走ります。
この時点ですでに「独自区間」ではないのですが、連節バスはすべてのバス停に停まるわけではありません。
博多駅~呉服町(蔵本方面)は都市高速経由のバスが停まります。
となると、88番ならではのバス停は

・蔵本(博多小前)
・石城町(ふ頭方面)
・博多臨港警察署北口

となります。(神屋町は4番と21番が来ます)

……と言いたいのですが、
実は「博多駅~石城町」では99番、「国際会議場・サンパレス前~中央ふ頭」では80番と全く同じ道を走るんですよね。
独自でもなんでもありませんでした。はい。

ただし、BRTの「天神~国際会議場・サンパレス前」は那の津通り経由なので、バス停こそありませんが立派な独自区間です。
また、緑橋のあたりも15番だけが通る独自区間です。
博多部の「独自区間」はこの2か所だけです。
(どちらも博多部の端っこです。)

少ないですねぇ……。

「どこで乗るか」と「どこで降りるか」

これは私も普段から意識しています。

たとえば、天神から乗って神屋町で降りることは多々あれど、その逆はよっぽどのことがない限りしないです。
天神18ABに停まるバスならどれに乗っても蔵本までは行けます。
来たバスに乗って、蔵本で降りて歩いて帰ればよいのです。

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その逆は通用しなくて、神屋町(蔵本方面)で待っていたらやってくるバスは80%くらいの確率で博多駅行きです。
なかなか天神に行けません。
よって私は、天神の渡辺通り沿いに行くときは対馬小路から、天神の西側や東側に行くときは蔵本から乗ります。

乗るバス停による利便性の違い、不思議ですよね。

ほかにも、六本松方面に行くときは呉服町ではなく土居町から乗ると、博多駅から来るバスと吉塚営業所から来るバスが集まっていい感じ
……など、西鉄バスの効果をより発揮させるには知恵が必要になります。

最寄り地下鉄駅が最寄りとして正解とは限らない

最寄り駅って、最短距離で行けることよりも、駅そのものの利便性や駅までの道のりが快適かどうかが大切だと思います。
ただ歩いて行ければいいってもんじゃないです。

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私の最寄り駅は呉服町駅です。
福岡市地下鉄の中で最も残念な駅です。(※個人の主観です)
天神方面に出かけるとして、呉服町駅に着いたら次の電車は8分後の中洲川端止、だったら何のために駅に来たのかわからなくなります。
ですので、私が地下鉄に乗るときは中洲川端駅まで歩きます。

「どこで乗るか」というのは重要な問題です。

その番号でイメージする区間

このイメージを他人と共有するには、幅広い地域で乗車経験を積む必要がありそうです。
私も福岡都市圏完乗を果たすころには、客観的なイメージに近いものを得られるのかもしれません。

しかし今の私はまだまだ都心部にいるバスしか見えていません。
100円エリアにいると福岡都市圏全営業所のLEDが目に入るので路線網を知った気になれますが、所詮は井の中の蛙。

私の脳内にいる1番は明治通りを直進しています。
3番は呉服町交差点を博多駅方面へと右折しています。

前者は、姪浜の1番ではなく、統一番号としての1番です
後者も、大多数は正式な3番ではありません
私、西区民と早良区民を敵に回しております。(すみません)

(ちなみに本物の番号に限定するなら、1番はSRP研修の影響から九州医療センター、3番は特快3番の印象が強いので陽光台がパッと出てきます)

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さて、序盤で「博多部にあるすべてのバス停は、天神・博多駅と郊外を結ぶ過程における単なる通過点でしかない」という話をしました。
「その番号でイメージする区間」をちょんびんさんに倣って「アイデンティティ」と呼ぶならば、博多部はどの番号からもアイデンティティの相手にされない、ということになります。
(※本物の1番と統一番号の1番を別の路線として考えるならこの限りではないです。)
路線に愛着を持てないのも無理もない。

私のように都心部にこもっている奴は置いといて、それなりに長い区間でバスに乗る人は路線のアイデンティティが郊外のどこかにあるはずです。

そんな私でも、3番に乗りたいお客の95%以上が脇山支線を望んでいないことは理解しています。
やっぱり、「独自区間」と「アイデンティティ」は、必ずしも一致するわけではないようです。

「独自区間」と「アイデンティティ」と「ハイライト」

アイデンティティとなる区間は、その番号で一番客が多い付近でしょうから、
大量輸送手段という公共交通の宿命からすると、
人が多いところには路線系統も増えるわけで、
アイデンティティと独自区間が共通でないのは、当たり前かもしれません。

西鉄バス福岡都市圏の大多数の路線は、郊外と天神・博多駅を結んでいます。
都心部に近づくにつれて乗客が増えるのはごく自然なことです。
ですので、「その番号で一番客が多い付近」は「その番号を求めて乗る客が多い区間」を前提としているのでしょう。

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都心部で完結する移動なら代わりの番号はいくらでもあります。
アイデンティティのかけらもありません。
この状況、「あなたじゃなきゃだめなの!!」という特別感とは程遠く、なんというか、ハロワの常連の求人みたいですね(例えが悪い)。

都心部は便利さと引き換えに大切なものを失っているので、バスファンとしてはある意味不幸なのかもしれません。

「ハイライト」は、私は乗りバス経験が浅いので「ここだ!」という路線と場所はまだありません。

「55」のハイライトは平和二丁目なり三月田公園だと思うので、
独自区間とアイデンティティとハイライト、どれも共通な人が私以外にも多いかもしれません。

読んではじめて「あー確かに! 平和二丁目ですよね!!」と共感しました。
その気持ちの裏付けをするなら、55番にあと2往復は乗る必要がありそうです。
(あれ? 毎朝乗ってるはずなのになぁ(すっとぼけ))

あ、4番の「天神~神屋町」はある意味個人的なハイライトと言えるかもしれません(笑)
(ハイライトの概念からズレてますが)

昔、以前、最近という区分

私の七隈時代(2012年~2016年)と博多時代(2016年~)には明確な境界線があります。
「以前/最近」の区分ですね。
でも七隈時代は西鉄バスにこだわりがなかったので、西鉄バスの歴史に絞るなら「最近」しかありません。
現在の私を「昔」にカテゴライズする日はいつやってくるでしょうか。

おわりに

……えっと、くだらない思考の垂れ流しにここまでお付き合いいただきありがとうございました。
もともと「ほぼ西鉄バスの旅」紹介記事のおまけで書くつもりだったのにとんでもなく長くなってしまいました。
ただいま5,400文字。

「独自区間」と「アイデンティティ」と「ハイライト」、という考え方は興味深いもので、これから乗りつぶしの際はこの3点を意識しようと心に刻んだのでした。
ほぼ西鉄バスの旅」はバス停探訪の記事がメインですが、バス路線探検家の思想がわかる記事たちも非常におすすめです。
是非読んでみてください!

「ほぼ西鉄バスの旅」筆者のちょんびんさん、このたびはありがとうございました。

<1/20 追記>

ちょんびんさんがこの記事をもとにさらなる考察記事を書いてくださいました。
返礼:博多部のアイデンティティとハイライトに関して

視野の狭い独り言に対してここまで真剣に向き合っていただけるとは夢にも思わず。
88番と99番を中心に「行先番号の法則」「路線の歴史から見たハイライト」などを解説されております。
非常に興味深い内容となっておりますので是非ご一読ください。

コメント

  1. hibaru55 より:

    僕も福岡に引っ越して来て、まだ3年数ヶ月の新入りバスマニアです。僕は家から55番が見えるような所に住んでいるので、とても55番に愛着があります。何度か家の住まいの候補のもうひとつの最寄りが野間四角だったので、悔しい気分になったことがありますが、この意見を見て、なるほどと思いました。少し良かったと思いました。僕なんかは最寄り路線が少ないので少ないからこそとても最寄り路線に愛着があります。

    • kobayashi_kaori より:

      hibaru55さん、こんにちは。

      55番は独自路線の鏡みたいな存在で、「地元のバス路線」を地で行ってますよね。
      相思相愛な路線があるのは幸せなことです。