こんにちは、神屋町バス停の近くに住んでいる小林香織です。
神屋町バス停。
読み方は”KAMIYA-CHO“。
一方、福岡市博多区神屋町の日本郵便のページは……
カミヤマチ。
……あれ???
と、気になったので、神屋町の読み方についてちょっと調べてみました。
目次
■謎の表記ゆれ
・福岡市博多区神屋町について
・そもそも博多部に「~ちょう」という地名は現存しない
・気まずい思い出
・で、結局、正しい読み方は?
■かみやまち
・神屋町交差点
・住所のプレート
・地図サイト各種
■かみやちょう
・西鉄バス
・マンション
・ベイサイドプレイス博多にある地図
■おわりに
謎の表記ゆれ
福岡市博多区神屋町について
神屋町は、博多区北部にある、大博通りと那の津通りと土居通りとすこやか通りに囲まれた面積50m2ほどの小さな町です。
最寄り駅は呉服町駅、最寄りバス停は神屋町/石城町(大博通り)/築港本町(那の津通り)。
背の高いマンションが目立ちます。
旧町名で言うと、大浜3・4丁目や石城本町が該当するでしょうか。
山笠の流はありません。
博多部なのかそうでないのか判断に迷う町の1つです。(おそらく博多部に入ると思いますが)
そもそも博多部に「~ちょう」という地名は現存しない
現在、博多区北部に「~町」と名の付く町が20ありますが、日本郵便のサイトを見る限りどれも読み方は「~まち」です。
※博多の「~町」についてはこちらも参考にどうぞ↓
【博多部】博多の町20地区の面積を比較してみた【福岡市博多区○○町】
書籍『博多旧町名歴史散歩(著: 日高三朗, 保坂晃孝)』を読んだ限り、旧町名の時代までさかのぼっても、博多部で「~ちょう」と読む町は「行町(ぎょうのちょう)」と「金屋町(かなやちょう)」の2つしかありませんでした。
ですので、「かみやちょう」が正解である確率は低そうです。
(「かみやちょう」と「かなやちょう」って似とうよね……。
でも金屋町には「上」「下」がつくけん結局別物やね、うん。)
気まずい思い出
ここで、この記事を書くきっかけになったエピソードをひとつ。
これは約1年前、私が不動産で新居を探していたときの話です。
当時の私は今と違って西鉄バスに明るいわけではありませんでした。
それでも、呉服町駅からサンパレスや国際会議場へのバスをよく利用していたので、通り道にある神屋町(かみやちょう)バス停の存在は知っていました。
不動産の担当の方が私に問いかけました。
「こちらのかみやまちの物件はいかがですか?」
それを受けて私は心の中でツッコみました。
「かみやちょうですよね?」
……これ、今となっては相当な勘違いですよ。
お恥ずかしい。口に出さなくてよかった。
このように、地名の正しい読み方を知っておくことはリスク回避(?)のために重要なのです。
で、結局、正しい読み方は?
日本郵便の情報がすべてです。
正解は「かみやまち」でしょう。
ですが、なぜ「かみやちょう」という読み方が共存しているかの理由は、私にはまだわかりません。
今後も文献などをあさって調査を続ける所存でございます。
とはいえ、こんな結果では納得がいかなかったので、
「神屋町の読み方を書いているソースはないのか?」
実際に神屋町を歩いて探してみました。
かみやまち
神屋町交差点
大博通りとすこやか通りと大浜通りをつなぐ神屋町交差点。
“Kamiya-machi Intersection”でした。
日本郵便に加えて信号機も味方となればもうかみやまちで決定ですね。
この神屋町交差点、神屋町と大博町と下呉服町と奈良屋町の境目に立地しているのですが、どうして名前が神屋町交差点になったのでしょう。
(そんなこと言ったら、築港本町交差点や古門戸町交差点など例がたくさん出てきてキリがないのですが)
バス停の名前にもなってますし、神屋町はそんなに重要な町なのでしょうか。
そのわりに有名な施設がない気がするのですが……。
住所のプレート
街の壁に貼ってある緑のプレート。
あれにもローマ字表記がありました。
“Kamiya-machi“。
間違いないです。
同じ神屋町6番ですが、こちらは変わったデザインですね(関係ない)。
地図サイト各種
3つの地図サイトで地名の一覧を見てみました。
↑いつもNAVI(ゼンリン)
大手地図サイトはすべて「かみやまち」となっていました。
おそらくこれらは日本郵便の読み方に従っているので、当然といえば当然か。
かみやちょう
西鉄バス
にしてつ時刻表のサジェスト表示。
もちろん「かみやちょう」。
当然、バス車内の液晶(LCD)には”NEXT Kamiya-cho“と書いてありますし、車内アナウンスは
「つぎは、かみやちょう。救急指定原三信病院前。お降りの方はお知らせください。」
です。
「かみやちょう」という読み方は一体どこから生まれたのでしょう。
西鉄バスがこんなに堂々と読み間違いをやらかすとは思えないので、歴史をたどれば「かみやちょう」の語源を発見できると信じています。
マンション
建物の名前にヒントがあると踏んで、私は神屋町のすべての道を歩き、建物を注意深く観察することにしました。
不審者みたい? 慣れっこです。
実際に歩いてわかったのですが、「神屋」を冠するビルって案外少ないんですね。
たいていが「博多」か、「天神東」か、もしくは土地と全く関連のない名前がつけられています。
隣の奈良屋町は「○○奈良屋」ばっかりなのに。
「かみやまち」と書いてある建物は1つもありませんでした。
ですが……!!
“COREMANSIONKAMIYACHO“。
かみやちょう、あったよ!!!
「かみやちょう」が西鉄バスだけの読み方でないことがわかりました。
(神屋町バス停に引きずられたという可能性もゼロではないでしょうが……。)
ベイサイドプレイス博多にある地図
もう1つ、「かみやちょう」を意外な場所で見つけました。
博多ふ頭・ベイサイドプレイス。
このバス停の後ろのほうにある地図をよく見ると、
“KAMIYA-CHO“。
地図にまで使われていました。
ちなみにこの地図、現在の「築港本町(ベイサイド通り)バス停」が旧名の「博多ふ頭入口バス停」になっています。
つまり、しばらく更新されていないようです。
「国際会議場・サンパレス前バス停」、実在するバス停のスペルが”FUKUOKA CONVENTION CENTER・SUN PALACE”なのに対し、こちらの地図のバス停は”KOKUSAI CENTER・SUN PALACE-MAE”です。
このことから、”KAMIYA-CHO”はバス停の名前に引きずられた表記ではないように見えますし、でももしかしたら西鉄バスは昔”KOKUSAI CENTER・SUN PALACE-MAE”と表記していたという可能性も捨てきれないので、推測ができません。
おわりに
以上、「かみやまち」「かみやちょう」にまつわるソースを集めてみた結果でした。
まだまだ真実は闇の中なので、これからも調べていきます!
コメント
不慣れな土地だと、地名の読みが分からず、
往生することがありますね。
わたしもトンチンカンな読み方をして、タクシーの運転手さんを困らせた事があります。
東京時代は大田区の千束(多摩川方面)に帰りたいのに、
台東区の千束(浅草方面)に連れて行かれた事もありました。
眠りこけていた私の過失でもありますが…
私は小林さんの記事を読むまで、
神屋町を「かみやちょう」と考えておりました。
広島市の紙屋町のノリです。
地名ってやつは頭が痛く、興味深いものですね。
紙屋町、広島グリーンアリーナに行くときに経由しました。
「かみやまち」と「かみやちょう」、どちらも間違ってないから難しいんですよね。
今でも初めてのバス路線に乗ると「えっこここんな読み方なん!?」と驚くことがあります。